宮本輝さんの作品が好きです。
先日、

「草花たちの静かな誓い」という作品を読みました。
アメリカに住んでいた叔母さんが亡くなり、莫大な遺産を相続することになった主人公が、叔母の隠していた秘密を探し求めるという話です。
・・・個人的な感想ですが、最近の宮本輝さんの作品は、例えて言うと「穏やかな光のもとで・・」という感じで、無難に読破しますが、後にそれほど記憶に残らない感じです。
自分は彼のどろどろの

作品が好きなので、

「ドナウの旅人」を読み返しました。
「ドナウ川に沿って旅をしたい」と娘に手紙をよこしたが、実は若い男も一緒だったので、この旅をやめさせようと娘は自分の恋人と止めに入ろうとするが、奇妙にも4人での旅となってしまいます。
もう一つどろどろ(?)ほどではないが、

「海岸列車」。この本も面白いです。
「海岸列車」は3人の人間が繰り出す人間模様が描かれています。世間一般的には不倫の話なのかもしれませんが、軽々しいものではなく、真剣に生きている人間の物語です。
いったん読み始めると、同じ作家のものを繰り返し読んでしまう自分です。
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学
- 2022/08/01(月) 00:09:42|
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先日書店にNHKのテキスト本を買いに出かけた時の事でした。
・・・全く海外旅行に行けないこのご時世の中、少しでも英語を覚えておこうとラジオ講座を聞き始めたのです。というか、多忙なので、聞き逃しの番組が一週間ネットに上げられているのを利用しているだけなのですが・・。
レジに向かう際に、大人気の「はらぺこあおむし」の絵本やキャラクターグッズが売られており、その人気に驚かされました。作者の方はお亡くなりになられ、その際もニュースになりました。実は自分はこのお話を読んだ記憶はなく、しかしながらも「ああ、まだ人気も健在なのだな」と思いながらそのコーナーを通り過ぎるところでした。
するとその隣に、なんと、

からすのパンやさん!!!
この絵本、みなさんご存じですか??
自分が小学校低学年の時に学校の図書館で大人気だった絵本です。自分ももちろん大好きで、何度も何度も読み返しました。
からすの夫婦と4羽の子どもが奮闘して美味しいパンを作るお話です。かこさとしさんの作品です。
目に入った瞬間、「ぎゃあーーー!!」と歓喜の気分



!!!
↑の写真でも分かるように、当時読んだ絵本とともに、

思わずグッズを!!!



!!!
最近イライラしていることも多く、かなりストレスもあります。そんな中、幼い頃に繰り返し読んだ絵本を静かにソファーに座って読みました。
自分には弟がいますが、彼がもっと幼い頃に、このからすのパンやさんの絵本を読んであげました。最後にたくさんの形のパンのページを開いた時に、「わあーー」と喜んでくれたことを今でも覚えています。
誰もを幸せにしてくれるこの「からすのパンやさん」。再び会えたことを幸せに思います。
・・・語学のテキストを数百円で買うだけのつもりだったのに、またまた無駄遣いをしてしまいました(いや、無駄じゃないけれど)。
テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌
- 2022/06/09(木) 21:21:05|
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よく考えたら久しぶりに読書をしました。昨年何か読んだ?といった気分です。自分はネットやスマホ依存症というわけではありませんが、確かにwebページを見ている時間は多いなと反省しています。目にも健康にも良くないとひしひしと感じます。このArtie’s Pubでも読書のカテゴリーがあるし(自分が作ったのだが

)、今年は読もう!

今回読んだのは、浮世の画家(作:カズオ・イシグロ)ですが、この本を購入したのは昨年で、かなりの時間カバンの中に入っていたのは間違いありません。
イシグロさんの文は自分には読みやすく(訳者のおかげなのかもしれませんが)、その世界にすぐに引き込まれていきます。小野益次という引退した日本画家を軸にしたストーリーで、ある程度才能と地位があり、崇められていた立場でしたが、戦前から戦後の時代背景の移り変わりの中で本人の立ち位置も変わっていく中、どう考えていくかというストーリーです。その最中に末娘の縁談話があるのですが、最初の縁談は破談となりました。その理由について小野はあれこれ考えます。そして2度目の縁談の件ではかなり神経質になっていますが、どうやらうまく行きました・・・という流れです。
「自分が思っているほど『自分』は他人にとってはさほど気にされていないし、影響も与えていない」ということがテーマだと勝手ですが解釈しました。少し地位の高い人ほど、何か事が起こった際に、人に与える印象や影響を気にする傾向が強いと言われていますが、実際は「そのようなことはない、あなたのことなどさほど気にしてませんよ」というのが世の常だと思います。だから犯罪や迷惑行為でない限り、自分が信じた道にしっかり前を向いて進んでも構わないのです。
・・・最近の小説に目を通すことはないのですが、昭和の時代の繊細な部分を描いたこういう作品が結構好きなのです。読破してよかった。
- 2022/01/13(木) 21:49:50|
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ゴールデンウイーク突入です。
自分は仕事と遊びが混ざった時間を過ごしています。久しぶりにギターの小さな発表会に出場しました。ほとんど練習していなかったので反省しています・・。とりあえずなんとかなりました。
呑気に家でゆっくりも出来ました。ハイゼとごろごろ過ごせました。一緒に昼寝もしました・・(途中ぺろぺろ攻撃で起こされましたが…

)。
さて、そんな中書店でも過ごすことができました。大きな目的は次の旅行先をどうしようと立ち読みしながら考えようということでしたが、文庫本も購入しました。
そうそう、先日の弾丸イギリスツアーの際に、機内等で読んだ小説は、

宮本輝の「田園発港行き自転車」です。
宮本輝、好きです。作品の中に入っていきやすいので。
簡単に言えば登場人物の一人のお父さんが不倫をして子どももいながら、突然その地で死んでしまい、そこからのストーリーの展開(?)でしょうか。不倫したという事実は好ましくないのかもしれませんが、登場人物には皆好感が持てました。もし自分の生活に置き換えるとしたら、他人からそんなに干渉されたくないという気持ちも強いのですが・・・。いわゆる隠し子の爽やかで愛すべき描写が救われます。・・・日本に帰国前に完読しました。
・・こう書いている時に、今日一日長い時間一緒に過ごしたハイゼは、こっちを見ながら眠そうにしています。「ちゃんと見守ってあげないと…」とでも思っているのでしょうか?ハイゼ爺は今日も健在ですよ!
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- 2018/04/30(月) 20:26:34|
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空いた時間を利用して久しぶりに読書を。実は先日書店に立ち寄った時、この際・・・と何冊かまとめ買いをしました。
で、2冊の本を読みあげました。
ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんの

「日の名残り」と「わたしたちが孤児だったころ」です。
結構厚いので最初は躊躇しましたが、彼の作品の世界にすぐに入っていけました。自分には合っているようです。前者はイギリスの執事の生きざまを淡々とつづっているような小説です。その淡々さの中に、彼の執事としての責任感と人間としての心の動きが繊細に描かれています。後者は上海で育った、ある程度上流階級のイギリス人が歴史的事件に巻き込まれながらも別離した両親のことを追求する壮大な物語です。
どちらも読みごたえがあり、心を動かされました。考えさせられることもたくさんありました。
・・・実はノーベル文学賞に関してですが、村上春樹さんがなかなか受賞できないことが話題になっています。申し訳ないのですが、自分は彼の作品にあまり入り込めず、これは面白いのか?と疑問に思っていました(大学生の頃でした)。読後にイライラ感があるというか・・。しかし、このカズオ・イシグロさんの作品は「これだ!!」と思えました。お勧めできます。
テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学
- 2018/02/25(日) 00:32:45|
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