よく考えたら久しぶりに読書をしました。昨年何か読んだ?といった気分です。自分はネットやスマホ依存症というわけではありませんが、確かにwebページを見ている時間は多いなと反省しています。目にも健康にも良くないとひしひしと感じます。このArtie’s Pubでも読書のカテゴリーがあるし(自分が作ったのだが

)、今年は読もう!

今回読んだのは、浮世の画家(作:カズオ・イシグロ)ですが、この本を購入したのは昨年で、かなりの時間カバンの中に入っていたのは間違いありません。
イシグロさんの文は自分には読みやすく(訳者のおかげなのかもしれませんが)、その世界にすぐに引き込まれていきます。小野益次という引退した日本画家を軸にしたストーリーで、ある程度才能と地位があり、崇められていた立場でしたが、戦前から戦後の時代背景の移り変わりの中で本人の立ち位置も変わっていく中、どう考えていくかというストーリーです。その最中に末娘の縁談話があるのですが、最初の縁談は破談となりました。その理由について小野はあれこれ考えます。そして2度目の縁談の件ではかなり神経質になっていますが、どうやらうまく行きました・・・という流れです。
「自分が思っているほど『自分』は他人にとってはさほど気にされていないし、影響も与えていない」ということがテーマだと勝手ですが解釈しました。少し地位の高い人ほど、何か事が起こった際に、人に与える印象や影響を気にする傾向が強いと言われていますが、実際は「そのようなことはない、あなたのことなどさほど気にしてませんよ」というのが世の常だと思います。だから犯罪や迷惑行為でない限り、自分が信じた道にしっかり前を向いて進んでも構わないのです。
・・・最近の小説に目を通すことはないのですが、昭和の時代の繊細な部分を描いたこういう作品が結構好きなのです。読破してよかった。
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- 2022/01/13(木) 21:49:50|
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