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Artie's Pub

独特な感性を持つArtieの徒然なる日記。旅行命なので、旅行シーズンはあっという間に旅行記に変わる。

同居犬ハイゼ その2

 少し前に同居犬ハイゼについて懸賞作文を書き、応募したところ、予想通り落選しました。参加賞としてペンを1本貰いました。ちょっと長くなるけれど、気が向いたら読んでください。


「やばい。非常にやばい。」暗く冷え切った1人暮らしのアパート。ペット禁制。その部屋の畳に佇む生後2ヶ月のミニチュアダックス。「やばい。どうしよう。」不安と罪悪感が頭の中をぐるぐる駆け回る。小鳥さえまともに育てられない男がたまたまペットショップの前を通りかかったのが大きな人生の岐路となった。どこかのCMのように、奴と目があったのだ。「うちはアパートだから・・」「大丈夫ですよ。吠える対象がなければ犬は吠えません。」「しかし生き物はまともに飼ったことがないから・・」「この犬、お客さんのことが好きなんでしょうねえ。」やられた。1時間後にはサイドシート。そしてわが気持ちとは対照的に足元にくっついてくる子犬。のちにハイゼと名づけられる、「奴」との最初の夜であった。今ならば返品できるかもしれない。金は要らないから引き取ってくれないだろうか。臆病な私はそんなことばかりを考えながら一週間。おや、何故か元気がない。慌ててペット病院へ。金のかかるやつだ。風邪を引いただけらしい。良かった・・と胸をなでおろす自分に対し、獣医さんからのストレートパンチ。「ダックスは吠えますよ。」畜生、あのペットショップの主人め。吠えるんじゃねえか。そして「奴」の風邪もすっかり治った数日後、テレビを見ながらあられを食べていたら、物欲しそうに寄って来る。ためしに2,3個やってみた。「かりかり」とおいしそうに食べている。「あんた、これ好きなの?」と話しかけてみる。思えばこれが最初に「奴」にかけた声かもしれない。心なしかにっこりしているように見える。「とことことことこ」という足音を立て、尻尾を振りながら自分の膝に座る。重みがズボン越しに伝わってくる。その瞬間「こいつと一緒に生きていくしかないのだ」と啓示を受けた気がした。
 独身1人暮らしで遠距離通勤の自分には動物を飼うのはやはり非常に難しい。いや、それよりも動物の方がきっと寂しくてストレスがたまるに違いない。「奴」との生活はバトルである。「成犬に近いくらい体が大きくなったからずっとケージに入れっぱなしはかわいそうだ、せめて一部屋開放してやろう。」と余計な情を持ったのが運のツキ。帰ったら部屋中引っかいた跡形が。「おーーい・・ペット禁制なんだぞ。このアパートは!」後でどうやって言い訳をすればいいのだ。ムンクの「叫び」の状態である。その日以来、「奴」は自分の留守時は必ずケージに入れられるようになった。ちなみに今では「ハウス!」と命令すると「奴」は部屋の隅に逃げる習慣がついている。
 仕事から帰って簡単に散歩を済ますと晩酌をするため近所の店に出て行く私。「ハーイ、お留守番」と声をかけると「グー」と変な声で不平を言っている。まあ我慢してくれや、なんていい気になっていると仕返しをされた。風呂から上がり、マットの上に素足を乗せようとした時である。ぐちゃ。えっ??うんこを踏んだ。マットを咥えてどこかに持ち去り、その跡にふんをしたのだ。これはきっとわざとに違いない。「きっ」と睨むと何事もなかったのかのようにちょこんと座っている。くそっ。
 しかし一つだけ驚くべきことがある。確かに殆ど吠えないのだ。何日かに1度くらい「わん」という声がするが、その程度である。本当に騒音は立てない。一度かなり厳しく怒られたのが堪えたのか、こっそりアパート犬としては上出来である。この面だけは褒めてやっても良い。
 あれから早3年。相変わらず共同生活はばたばたしている。仕事から疲れて帰ると必ず「ふんごふんご」というような鼻息で迎えてくれる。散歩をして、アパートに戻ろうとする時にはまっしぐらにドアに突進する。旅行好きの私が出かける度にどこかへ預けられ、寂しい(嬉しい?)思いをしている「奴」であるが、久しぶりに会う時には相変わらずの突進と「ふんごふんご」で歓迎する。部屋で撫でられている時はまた「グー」と変な声を発する。何か自分に話しかけたい時も、この「グー」という声で呼びかける。随分と仲良しの関係のように思われるかもしれないが、いたずらは後を絶たない。うっかり枕元に置いていたメガネは目覚めと同時に粉々の姿で発見された。どこから侵入してきたのであろうか。また、見覚えのあるいとおしい紙が破れてるなあと眺めていたら千円札であった。いつの間に財布から抜き出したのか。優雅にコーヒーを飲みながら朝刊を読んでいると、ボール遊びをしていた「奴」がマグカップをひっくり返し、逃げていきやがった。
実際「やばい」と焦っていたあの頃と比べると、今も根本的には何も変わっていないと思うが、自分の意識の中では、「奴」がいないと「やばい」状態になっているような気がする。テレビを観ながらうとうとしている時、これからもずっとそばにいてほしい。たまに一緒に川原に遊びに行った時、いつまでも元気で走り続けてほしい。いつか金持ちになってペットOKの住居に越すまで生き続けてほしい。こう願いながら、今も「奴」はそばで「グー」とまたも奇怪な声を発している。


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テーマ:ミニチュアダックス - ジャンル:ペット

  1. 2006/08/18(金) 17:51:12|
  2. ハイゼ
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