今回は『亡食の時代』(産経新聞「食」取材班 扶桑社新書)の感想です

これは昨年産経新聞に「亡食の時代」として連載されていた記事を加筆しまとめたものということで、たまたま産経新聞を読んでいると、この本の新刊案内があり、内容が面白そうだったので購入しました。一気に読んでしまいました。
現代人の食についての問題点を分かりやすく示してくれます。古き佳き日本の食生活が崩れているのは、自分の生活を振り返っても明らかですが、一般家庭がこうまであることには驚きます。特に心配なのは子どもや若者の食生活です。
共働きで両親共に忙しいのは分かります。家事をするのは女性という時代はとっくに過ぎていることも分かります。しかし、子どもに朝ごはんを食べさせる余裕がない、栄養価については学校の給食に任せる(費用を払わない奴もいるくせに)・・・では本末転倒です。ガムを朝食で食べたという子どもが実際にいるようですが、これは明らかに親失格です。忙しいからという以前の問題であり、即刻どちらかが仕事を辞めるか、セーブするなりしないと。子どもだって一個の命なのに・・
以上のような問題以外にもたくさんのことが書かれてあります。調味料が我々をおかしくしていること、コンビニで廃棄されている食品のことなど、一人暮らし(+1)の自分があまり考えていなかったことがここにあります。
印象に残っていることを。「手作りを減らそうという親も思いは、おままごとにも投影している。包丁とまな板を使ってトントン・・と料理する母親をまねる子どもは、今や姿を消した。木の実をおもちゃのオーブンレンジに入れ、“チン”、これが今風のおままごとだ。」・・そうなの?? また、飽食の時代は「食」への感謝の気持ちを忘れさせ、「食」への感謝の言葉をも奪った。消えようとしている「いただきます」・・で、こういう親がいるらしい。「給食費をきちんと払っているのだから、“いただきます”と言わせるのはおかしい。うちの子にはもう言わせないで欲しい・・・」 まじ!!!と叫びたくなります

給食費を払わない親も驚くけど、払っている親にもこんな考えの者が・・
自分自身が反省した点も多々あります。「“安売り”という言葉に飛びついて、例えば調理もできない、あるいは食べきれないパプリカを大量に買う。それが冷蔵庫に残って、古くなるのは当然のこと」と、計画性のなさを指摘されています。捨てたくて買うわけではないのですが、最終的に腐りかけて・・というのはよくあり、無駄なことをしてるなと思います

思うに、この本はいくら男女同権の時代とはいえ、特に女性、それも若いお母さんは、絶対に読む価値があると思います。本当に自分の子どもがかわいいのであれば、是非読んで、そして、少しでも「食」に対する意識を変えるということだけでも、大きな効果があると思います。
スポンサーサイト
テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
- 2007/03/04(日) 08:44:56|
- 読書
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0