今回読んだ本は、『悩む力』姜尚中著 集英社新書 です。
本屋で山積みにされていたので、つい購入しました。別に自分は何かに真剣に悩んでいるということはないのですが、この本は、最後まで「悩み」を手放すことなく真の強さを掴み取る生き方を提唱しているということでした。著者は夏目漱石と社会学者のマックスウエーバーを引き合いに出し、持論を展開しています。
自分は夏目漱石、好きです。一番感銘したのは社会人になってから読んだ『道草』でした。主人公が決して何かに納得しながら生きているわけでもない中で、いろんなことに巻き込まれながら、「まあしょうがない」という人生を訥々と綴ったこの作品を『道草』と名付けた漱石に、震えが来たものでした(この本、実は暇潰しにパリのモンマントルの丘で読んだものなんです)。また、ヘルマンヘッセという作家も好きな人でした。『車輪の下』は、メジャーな暗い(

)作品ですが、『デミアン』という小説が一番好きだったんです。
悩み多い青春時代から何も変わらない自分・・・のはずが、気がつけば、周囲には明るく、悩みには縁遠い人しか集まらず

、真の自分の声を聞いてくれる人にはなかなか出会えないのですが、それはそれで幸せなのかもしれません。ただ、「悩む」ことは、人間特有のことであり、大事にしたいものです。それがイコール成長につながることは否めないと思うのです。
学生時代に、結構本を読んだはずなのですが、同時期にブームであったおニャン子クラブからのユニット、ニャンギラスが歌っていた「私は里歌ちゃん」の歌詞は衝撃的なものでした。「与謝野晶子は知らないけれど、パーパラパッパ手の鳴る方へ~」

こういう生き方も、ある意味とても大切なものかもしれません。『悩む力』の著者がこの曲を聞いた後であるならば、述べていることも変わってくる気もします。それはそれで面白いです。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
- 2009/05/22(金) 22:01:31|
- 読書
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| コメント:5
仕方がないと思っても、やっぱり悩んじゃうんですよね…でも良く考えたら、悩んでるのは、あんまり大切じゃないことが多くて、それこそ、もっと役に立つ悩み方ができないのか?って反省すること仕切りです。悩むんじゃなくて、考える方向にいければいいんですよね。
- 2009/05/24(日) 22:35:03 |
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- NAPPY #-
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長助おかんさん、いらっしゃい!!
星の王子様のそのフレーズ、とても有名ですよね。サン・テグジュペリといえば、菊池桃子の卒業・・。これが一番先に思いつくなんて・・

自分の一冊ってなんだろう?結構田舎教師とか車輪の下とか悲惨なものが多いような・・

!
また寄ってね!
NAPPYさん、いらっしゃい!!
何かに「悩む」というのは、少なくとも何かについて真面目に考えていることであって、長い目で見れば決して無駄な時間ではないとは思います。結果がプラスの方向に出ると、悩む甲斐もあるんでしょうがね。うーん、そう考えるとこの本も再度読む価値あるかも。
また寄ってね!
- 2009/05/25(月) 20:01:19 |
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- artie #-
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毎日悩んで3本くらい白髪が生えてきてしまました。いろいろ難しいですよね、人生。
家族を持ってから、いろいろな悩みも出てきたし。
ポジティブに悩むようにしてますわ。
ストレス溜めるとどうしようもないし。
自分もArtieサン見習ってたまには本読もうかなぁ。
- 2009/05/28(木) 14:38:03 |
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- mizokichi #-
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mizokichiさん、いらっしゃい!!
悩むのは人間特有の素晴らしい機能であると思うようにしています。独り身の自分は、仕事でストレスを溜めたところで、誰も庇ってくれる訳でもないので、適当に過ごしています

。
で、本は宝と今でも思っているので、忙しい時でも出来るだけ目を通すようにしているのですが、最近感想が上手く書けなくなりました
また寄ってね!
- 2009/05/28(木) 22:08:13 |
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- artie #-
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