今回は、垣根亮介著『借金取りの王子』(新潮社)を読みました。
かなり以前に彼の『君たちに明日はない』という作品に出会ってます。

これは、いわゆる企業のリストラを代行する会社で働く主人公の物語です。若い主人公ですが、理路整然と自主退職に追い込むのを仕事としている面接官の物語です。作者と自分は年齢も近く、しかも大変読みやすいので、一気に読破しました。
実際のところは企業マンでない自分にとって、「みんなこんなに大変なの?」と驚くことばかりです

(どんだけ世間知らず・・)。今や世間では「リストラ」は珍しくないのかもしれませんが、主人公のように「リストラ」勧告を請け負う仕事があるなんて知りませんでした(って、やっぱり本当にあるのでしょうか?)。
あまり、いや、かなり上司に忠実でない自分は、大企業の一員であったなら、真っ先に抹消されることでしょう。どんなに粗悪な職場でも、今こうしてのほほんと暮らしていける境遇は、世間一般ではかなり恵まれているのかもしれません。いわゆる優等生で一流大学を出て、順風満帆な人生を送る約束をされていた人が、こうして解雇勧告を受ける様は、あまりも残酷であり、また、逆に不謹慎にも滑稽に思えます。人生って一体・・・。
ただ、最近思います。できれば今のぬるま湯でずっと過ごすのも、親孝行で幸せな人生なのでしょうが、何かのきっかけでそれが打ち砕かれることがあったとしたならば、もしかしたら逆に自分にとってのチャンスなのかもって。「死に物狂い」に頑張ることって、完全に忘れているから。何かの拍子に背中を押されたら、自分の人生、大きく変わるほどのことがあるのではないかと、まるで白昼夢のように思い描いています。・・・いい年して、馬鹿かもしれませんが。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学
- 2009/11/12(木) 20:43:38|
- 読書
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| コメント:5
うーん、難しいですねえ。
今年の初め、まさにそれに近い状態でしたが(勤め先が閉めるかもしれない、というところまで行きました)、情けないことに「ローンどうする」「犬たちどうする」と不安ばかり先に立ち、なんら具体的な行動を取れませんでした(恥)。もっといざと言うときの覚悟をいつも持ってないといけないですね。
- 2009/11/13(金) 23:05:01 |
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- NAPPY #-
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長助おかんさん、いらっしゃい!!
自分の学生の頃は、まだバブルもはじけていなくて就職には良い時代でした。自分の友人達もいわゆる一流企業に入社したものが多かったのですが、今となってはどうなのでしょう。自分は「とりあえず給料は出る」場所にいるので、完全に受身体制になっています・・。
また寄ってね!
NAPPYさん、いらっしゃい!!
多分、自分の場合、まだまだ本当の意味での危機に直面していないので、こんなことが書けるのかもしれません。そして実家があることにも甘えているのかもしれません。ただ、自分の場合は仕事選択に対してのプライドはあまりないので、自分にできることならやってみたいとは思います・・。
また寄ってね!
- 2009/11/14(土) 07:26:00 |
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- artie #-
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mizokichiさん、いらっしゃい!!
凄く、いや、朧げかもしれませんが分かります。「利益を生まない」人物をじっと見守っているほど余裕のない社会の中、努力すらしない(できない)のは、そういう対象になっても仕方ない気がします。どの場所でもいい。どこかで「合う」人でなくては生きるのは難しいですね。
また寄ってね!
- 2009/11/19(木) 21:20:11 |
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- artie #-
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