久しぶりに必要に迫られて(?)読書しました。しかも少し前に流行ったやつなので、「何をいまさら・・」と言われそうです

中央公論新社刊の『ケータイを持ったサル』(正高信男著)なのですが、とても印象に残る場面がありました。彼は、現代を象徴する、いわゆる「ひきこもり」と、ルーズソックスを履き(今はもう廃れているような気もするが)、地面にベターっと座って携帯をいじくっている女子学生には共通点があると言っています。それは「家(うち)のなか」すなわち私的空間から公共の場に出ることの拒絶感だそうです。ひきこもりの場合、極端な場合は自分の部屋のみを「家のなか」と把握し、外に出るのを拒み、一方ルーズソックス系は、通常の人には公共の空間である場所すべてにおいて、ひきこもりの自室なような感覚でいられ、どこでもくつろげます。あえて差異を挙げるのならば、異邦人の住む異界(いわゆる社会)を恐怖と感じるか、あるいは無感覚でいれるかという点にあるのではないかということなのです。
著者は、このあと、現代に生きている(特に日本)人とサルの形態の類似点を挙げています。とても分かりやすくて面白いと思います。
親離れできない、子離れできない家族の有様も書かれているのですが、この本が書かれた時期よりも、最近は更に状況が悪化しているのではないかと思います。最近の殺人事件、あるいは暴力事件は殆どが家族が関係しています。家族関係を築く事において、ここでもまた大きな転機なのかもしれません。それにしてもコミュニケーションって、簡単なようで、そうでもないのかもしれませんね、
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テーマ:今読んでいる本 - ジャンル:本・雑誌
- 2007/01/30(火) 10:00:02|
- 読書
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| コメント:2
引きこもりと、女子高生が同じというのは初めてききました。新たな価値観だと思いますが、決して間違ってはいませんよね。
女子高生達も決して強いわけではなく、地面にベターっと座って携帯をいじくっているのは、ある種の引きこもりであるということですね。
面白そうな本ですね、また面白い本があったら教えてください♪
- 2007/01/30(火) 22:02:17 |
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- sakaishin #-
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sakaishinさん、いらっしゃい!!
この作者の言っていること、面白いでしょ!?上手く同じカテゴリーに入れているのが凄い!!猿の研究者らしいのですが。その他の内容もなるほどと頷いてしまいます。
私もsakaishinさんも多分ひきこもりには縁がありませんが(海外人ですもんね)、こういう本を読んでみるのも面白いですよ!
また寄ってね!!
- 2007/01/30(火) 23:12:55 |
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- Artie #-
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